洛南中学校の入試説明会から見えて来る未来(1)

洛南小学校受験専門の知野永理子です。

先日、洛南中学校の入試説明会に行ってまいりました。入試説明会の会場は体育館で、後ろの方までパイプ椅子が並べられていましたが、満席でした。それも、ほぼ隣の席を空けることなく。

今年の洛南中学校の入試説明会は、特別なものでした。なぜなら、いよいよ来年から洛南小学校からの内部進学が始まるからです。

来年の洛南中学の募集人数は、内部進学の影響も考慮してか、40名増員されます。内部進学者は約90名ですので、実質的な募集人数は例年より50名減ることになります。

女子については、これまでも大変な狭き門だったのをこれ以上狭くしたくない、ということで、実質的な減員は5名程度に抑えるとのことでした。

その分、男子にしわよせが行くことになります。

改めて示された内部進学の方針

さらっと流して書きましたが、この発表からわかるのは、基本的に洛南小学校の生徒は、希望すれば洛南中学に内部進学させるということです。

これまで、洛南小学校が幾度も「基本的に内部進学させる」と発表してきましたが、一方で、なんだかんだ言っても成績が悪い子は内部進学させないのではないかという悲観的な意見が小学校に通わせている保護者の間から出ていました。

しかし、今回の入試説明会において、洛南学園として改めて内部進学の方針が示されたことになります。それが内部進学者90名という数字に出ています。

洛南小学校は、全国模試において小学生が優秀な成績を修めていると発表しており、成績が振るわない子どもたちには補習を実施しています。

私もこの業界に長くおりますが、進学校の小学校で手厚いとは言えないまでも補習を行ってくれる学校などなかなか聞くことはありません。

関東の雙葉などは、成績が足りなければ内部進学はかないません。実際に小中高と雙葉に通っていたお母様にお話を聞いたことがありますが、常に「落とされるのではないか」という恐怖との闘いであったとおっしゃっていました。

もちろん補習に頼らなければならない状況は避けるべきですが、洛南学園が「我々は生徒を見捨てない」というメッセージを出したことは、私たちにとって大きな意味を持つと思うのです。

その「意味」についてはまた次回書きたいと思います。