保護者作文よくある質問(6)筋の通った作文が書けない

こんにちは、洛南小学校受験専門の知野永理子です。

作文の添削をしている中で、

毎年のように思うことがあります。

最初から最後まで筋の通った作文になかなかならない、

ということです。

書いておられるお母様ご自身も、

「だんだん何を書いているのか分からなくなってきてしまって。」

「とりあえず書きましたけど、という感じの中途半端な作文になってしまいました。」

と仰います。

作文の筋を通すポイントは、起こしの文

前回のブログの続きです。

「一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり。」

のテーマについて書くのでしたね。

次に、リストを見て、このテーマとつながるものを選びました。

「自分のことは自分でする。」

「親が手本を示す。」

「脱いだ靴は自分で揃える。」

作文の起こしの部分で、

テーマと書きたい内容をつなぐことが、筋を通すポイントです。

起こしの文とは、作文の書き出しの部分です。

20字×30行=600字のうち、

20字×7行前後を目安に起こしの部分を書くと良いです。

起こしの文で、テーマと書きたい内容をつなぐ

「一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり。」

についての考えを初めに述べることから作文を書き始めます。

そこで、大切な視点があります。

書こうと思っている内容、

「自分のことは自分でする。」

「親が手本を示す。」

「脱いだ靴は自分で揃える。」

にどうしたらつながるかを考えて、

その考えにつながる文を書くのです。

それが、テーマと書きたい内容をつなぐということです。

具体的に

テーマを意識しながら、書きたい内容の言い回しを変換してみましょう。

すると、テーマと書きたい内容がつなぎやすくなります。

自分のことは自分でする習慣を子どもにつけたいと思っている。

(「習慣」というテーマの言葉を入れました。)

教える側の親が手本を示すことが大切だと考え、心がけている。

(「教師」教える側というテーマの言葉を入れました。)

今、取り組んでいることに、脱いだ靴は自分で揃えるということがある。

(具体例として書く内容です。)

に、「一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり。」をつなぎましょう。

こうして、テーマの言葉を、ネタとしてあげた書きたい内容につなぐと

筋が通ってきます。

テーマと書きたい内容の間に、言葉の橋を掛けるのです。

 

次に続く。

保護者作文よくある質問(5)テーマについて作文が書けない

こんにちは、洛南小学校受験専門の知野永理子です。

子育てで大切にしていることリストができましたね。

さぁ、ここからは、作ったリスト、ネタ帳を使って、

筋の通った作文を書いていきましょう。

文の大筋を決める

600字の作文は、

起こしの文で、テーマについて述べ、

具体例を挙げ、

結論で締めくくる、

という3つの段落で構成されます。

書く前に、この3つの段落の大筋を決めましょう。

テーマについて作文が書けない

書けそうなテーマから、作文を書く練習を始めましょう。

書けそうにないテーマでいくら練習しても、力はつきません。

まずは、易しいと感じるテーマから練習を始めることが大切です。

最初から無理をしないことです。

作文の骨子を決める

テーマとつながる子育ての軸をリストから選んで、

3つの段落の大筋を決めていきましょう。

例えば、

「一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり。」

のテーマについて書くとします。

次に、リストを見て、このテーマとつながるものを選びます。

「自分のことは自分でする。」

「親が手本を示す。」

「脱いだ靴は自分で揃える。」

これが作文の骨子となります。

 

次に続く。

保護者作文よくある質問(4)何が言いたいのか分からない文

こんにちは、洛南小学校受験専門の知野永理子です。

作文について、よくある質問シリーズを引き続き、お届けいたします。

決めた作文の軸が骨子となる

ご主人に読んでもらったけれど、

「何が言いたいのか分からない。」

と言われてしまう作文には、軸がありません。

さて、子育てで大切にしていること、

30個、書き出せましたでしょうか。

大きなことから小さなこと、

親の思いから具体的なことまで、

書き出してみてください。

子育てで大切にしていることの例

自立した人になってほしい。

他の人を思いやれる人になってほしい。

という我が子の将来像への思いがあります。

 

自分のことは自分でする。

自分の考えをしっかりと言う。

他の人が嫌がることをしない。

次の人のことを考えてする。

など、今、我が子ができることへの思い。

 

挨拶をする。

靴を揃える。

お手伝いをする。

など、今、取り組んでいることの具体例。

全て、子育ての軸へつながることです。

リスト化しておく

挙げた30個をリスト化して、手元に置いておいてください。

日常生活の中で、大切にしていることに気が付いたら、

そのリストを増やしていきましょう。

そのリストが、いわゆる、ネタ帳になります。

次回は、骨子のリストの活用の仕方を書いていきます。

保護者作文よくある質問(3)書いた作文を主人に読んでもらったのですが

こんにちは、洛南小学校受験専門の知野永理子です。

作文についてよくある質問シリーズをお送りしています。

今、初めてこのブログをご覧になったかたは、ぜひシリーズの(1)から読み始めてください。

順序立てて読んでいただいた方が、分かりやすい構成にしています。

書いた作文を主人に読んでもらったのですが、何を言いたいのか分からないと言われました。

書いた作文を、ご主人など他の人に読んでもらうのは良いことです。

始めのうちは、書いてみたものの伝えたい内容が伝わらない文章になるのは当然です。

誰かに読んでもらって、まずは、読みやすい文章になっているかどうか、感想を聞くことが上達の第一歩です。

文章は、ですます調で

文章は、ですます調で書くのが良いです。

「我が家はこのようなことを大切にして子育てをしています。

入学後も親子で精一杯頑張りますので、よろしくお願いいたします。」

と、皆様が大切になさっていること、親としての思い、お子様の成長などを洛南小学校の先生方へお伝えできる、とても有り難い機会であるのが、保護者作文です。

固苦しく考えず、思いをお伝えしようという姿勢で書かれると良いと思います。

作文の軸を決める

さて、作文の軸についてです。

これは、まさに皆様の子育ての軸です。

「我が家はこのようなことを大切にして子育てをしています。」

の、このような、は何でしょうか。

それが作文の軸となります。

思いつく限りの、子育てで大切にしていることを書き出してみてください。

そうですね、30個くらい上がると良いですね。

そして、何が軸なのか、書き出したものを眺めて考えてみてください。

次回に続きます。

保護者作文よくある質問(2)何を書いたらいいのか分からない

こんにちは、洛南小学校受験専門の知野永理子です。

引き続き、作文についてよくある質問シリーズです。

そもそも何を書いたらいいのか、分からない。

このようにダイレクトに、直球で聞いて来られる方は少数ですが、

「まずは、書いてみてください。」と、

作文のテーマだけ投げると、

「え、何を書いたらいいんですか?」

という反応が返ってきます。

2014年度入試の作文対策では、

まず、どの程度書けるのかを見せていただくために、

前情報なしで作文を書いて頂き、提出してもらいました。

出来上がった作文を見せていただいて、

そもそも何を書いたら良いのかが分かっていない作文は、

どんなに文章が上手くても、

読み手に思いや考えの伝わる作文にはならないということが

よく分かりました。

それ以降、知の塾では、

「作文の軸を作ること」

を行った上で、

文章を書く練習へと入っていくようにしています。

「テーマについて書ける」のは、

作文対策としては、後のことになります。

「作文の軸」について、

次回は書いていきます。

ブログにて、洛南小保護者作文について書いていきます。

新年、明けましておめでとうございます。

洛南小学校受験専門の知野永理子です。

今年も、洛南小学校への入学を熱望する皆様のために

情報発信してまいります。

よろしくお願い申し上げます。

2016年度洛南小入試 全員合格

おかげ様で、2016年度洛南小入試では、知の塾生全員の合格をいただきました。

全員の合格を勝ち取ることができましたのも、

お子様の頑張り、成績UPはもちろんですが、

お母様方が、保護者作文の準備を本当に良く頑張ってくださいました。

お子様の勉強を見ながらのお母様の作文の準備、

働いているお母様は、お仕事の合間を縫っての作文を書く努力、

大変なことだったと思います。

そのような中、

「ここまでやれば、知の塾生は全員合格する。」

と自信を持って言える準備をして、入試へと送り出すことができました。

親が作文で合格点を取ることが絶対必要

合格を勝ち取るためには、入試当日、保護者が作文で合格するに必要な点数を取らねばなりません。

親が入試で点数を取れずしての合格はありません。

お子様の足を引っ張ってしまうのが、保護者作文。

我が子は合格点を取れても、親で落ちるのが洛南小入試です。

子どもの勉強で、入試の準備をしている気になっていませんか?

我が子に勉強をさせることで、入試の準備をしている気になっていませんでしょうか。

保護者作文の準備は後回しで、春頃から始めたらいいと思ってはいませんでしょうか。

「私は作文が得意だから、大丈夫です。合格します。」

という方でなければ、今から準備を始めることを強くおすすめします。

「どうしてこんな問題が解けないの?」と思わず口にしてしまうこともあるお母様ご自身が、

果たして、合格する作文が書けるのかというと、

親の方があやしい・・・

という現実が毎年のようにあります。

そして、不合格という残念な結果となる要因は、やはり、親の作文の準備不足です。

作文のテーマ、お題の難しさが、作文の難しさではありません。

このブログ上で、作文の準備について書いていきます。

塾から出される作文のお題が難しすぎて、お題そのものに右往左往してはいませんでしょうか。

書いてみてはいるけれど、これで良いのか分からないという不安を抱えたままではないでしょうか。

保護者作文は、入試当日に出される作文のテーマ、お題の難しさが作文の難しさではありません。

そこを勘違いなさっている方が非常に多いと思います。

「テーマについて書けないといけない。」という声を多く耳にします。

そうではない、ということが少しでもお分かりいただければ、

洛南小の合格は近づいてきます。

合格点を頂ける作文について、書いていきますので、

ぜひ、このブログを活用していただければと思います。

保護者作文準備の進め方 〜その5〜

いよいよテーマについて作文を書いてみましょう。

まずは、過去に出題されているテーマの中から、書けそうなものを選びましょう。

難しいことを考えずに、600字の作文を書くという体験をすることが大切です。

 

2014年 洛南学校入試 保護者作文テーマ

  1. 子どもの自己肯定感を高めるためには何が必要か、述べよ。
  2. 「鈴と小鳥と それからわたし みんな違って みんないい」について述べよ。(金子みすゞの詩)
  3. 「揺りかごを揺らす手は世界を治める」について述べよ。(英語ことわざ・スコットランド愛国者ウィリアム・ウォレスの詩の一節)
  4. 「銀も 金も 玉も 何せむに勝れる宝 子にしかめやも」について述べよ。(山上憶良の短歌)
  5. 親が子どもを教育することは義務であるが、子どもに教育されることもまた親の義務であるについて述べよ。
  6. 教育は「投資」の是非について述べよ。

2013年 洛南小入試 保護者作文テーマ

  1. 家庭教育での母親の役割について(父親向け)・家庭教育での父親の役割について(母親向け)述べよ。
  2. ヘリコプターペアレントについて述べよ。
  3. 自尊感情=褒める教育の是非について述べよ。
  4. 母親から受けた躾で子どもに伝えたいものとその理由について述べよ。
  5. 「一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり。」(福澤諭吉の言葉)について述べよ。
  6. 「父親は中学生からが出番」の是非について述べよ。

 

保護者作文準備の進め方 〜その4〜

こんにちは、洛南小学校受験専門の知野永理子です。

過去に出題されたテーマで、まずは600字の作文を書いてみましょう。

文章構成について

600字の作文の文章構成について、初めにお伝えいたします。

起承転結と言われる文章構成が私どもの世代ではよく知られておりますが、600字程度の文字数では、4つの構成は多すぎますので、序破急の3つの構成で考えましょう。

序=導入

作文のテーマについての考えを述べ、導入としましょう。

導入部分ですが、テーマについて保護者の考えをまとめて表す文章となりますので、結論と同様、とても重要です。

破=展開

具体例を書きましょう。

家庭生活の中で実践している躾や教育、出来事やエピソードなどを書き、ご家庭の方針がより具体的に分かる内容としましょう。

急=結論

保護者の考えを最後にまとめ、結論とします。

この部分に洛南小学校への志望動機を必ず書くようにと大手塾では指導があるようですが、必ずしも志望動機でなければならないということはありません。

当日、作文を2つ書きます。

2つの作文の両方とも結論部分で志望動機を書くというのは、そのこと自体に無理があるように思いますし、選んだテーマによっては無理に志望動機にこじつけると文脈がおかしくなるのではないかと私は考えています。

 

引き続き、過去に出題されたテーマで600字の作文を書くことについて、お伝えしてまいります。

洛南小学校受験専門進学塾「知の塾」

代表 知野永理子

 

保護者作文準備の進め方 〜その3〜

「保護者作文準備の進め方〜その2〜」で作文の核となる

「お子様にどのような人になってほしいか」

という将来の人間像を文章にしてくださいというお話をいたしました。

家庭の教育方針と具体例

その次に考えていただきたいのは、

前回考えた「将来の人間像」になるために、ご家庭で何をしているかの具体例です。

これも思いつく限り挙げてみてください。

付箋にすべて書き出してみる方法は、ここでも活用できます。

これが、家庭の教育方針であり、躾であり、その具体例となります。

参考例

私にはもうすぐ3歳になる娘がおります。

4月から幼稚園に入園するプレ年少さんです。

我が家の例で、参考程度に考え方を少し具体的にご説明いたします。

娘の将来の人間像

私共の娘の将来の人間像は「自立」と「自律」です。

自分自身を律することのできる人に成長してほしいと願っています。

具体例

そのために今、大切にしていることは挨拶です。

挨拶は、まだ2歳の幼い娘でも毎日努力を積み重ねることのできる素晴らしい日常の素材だと考えています。

3歳を目前にして、随分自分のことは自分でできるようになってきて、日々の生活の中で娘の中に自信も芽生えてきました。

保育園での生活も自分の言葉でたくさんお話ができるようになりました。

このように自己肯定感も芽生えてきた時期ですので、次は他者との関わりを学んでほしいと考え、相手を認める大切な第一歩である挨拶を、毎日、自分の体調や心のコンディションがどうであれ、まずは元気に大きな挨拶をするという「自律」のスタートを娘と一緒に頑張っています。

取り組み始めた昨年の夏頃は、恥ずかしかったり、「お母さん、抱っこして」と甘える日は小さな声の挨拶さえもできなかったりという様子でしたが、今では、ほぼ毎日、保育園の門の前に立つ警備員さんに自ら元気に挨拶ができるようになってまいりました。

 

いかがでしょうか。

次回は、いよいよテーマに沿って600字の作文を書いてみることについて、お話いたします。

洛南小学校受験専門進学塾「知の塾」

代表 知野永理子

 

保護者作文準備の進め方 〜その2〜

急に600字の作文を書くのは難しい!という方は、ぜひこのことをまず考えてみてください。

 

作文の核となるもの

「お子様にどのような人になってほしいか」

という将来の人間像を文章にしてください。

 

できれば、1つの文章が望ましい。

あれもこれもと思う方は、まずあれもこれも書いてみましょう。

たくさん出した中で、最もこうなってほしいと思う言葉を選んでください。

1つだけを選ぶことができなければ、優先度の高いものから順番に並べましょう。

付箋(ポストイット)をお持ちであれば、付箋に書き出す方法もお勧めです。

付箋に思いつく限りを全て書き出して、優先度の順番に並べ替えます。

 

両親の描くお子様の将来像

お子様の将来の人間像は、お母様だけのものではなく、ご両親のものが尚良いです。

お父様にもご協力頂いて、この機会にご両親の描くお子様の将来像を考えてみてください。

これは洛南小学校の保護者面接に向かっても、ご両親で早い時期にしっかり話し合い、明確にしておいていただきたい大切な子育ての核です。

ご両親で合意した人間像がひとつの文章になると理想です。

このお子様の将来像が、作文を書くにあたっての核・コアとなり、論点がブレることなく、日常の子育てについての考え方を600字の文章とすることができます。

600字の作文は余裕で書けます!という方も、ぜひこの「お子様の将来像」という子育ての核を考えてみてください。

その3へ続きます!

 

洛南小学校受験専門進学塾「知の塾」

代表 知野永理子